ステント術後の薬剤
2010年 03月 17日
薬剤溶出性ステント処置者にアスピリンとクロピドグレル(プラビックス)を併用しても、
アスピリン単独と遅延性ステント内血栓に伴う有害事象に影響はないというレポートが出てました。
遅延性ステント内血栓(LST)は
薬剤溶出性ステントの欠点といわれています。
ステント2週以降に現れ、
アスピリンとプラビックス2剤を3~6ヶ月服用することが勧められています。
しかし、早期で抗血小板上記2剤併用するとLSTが発症する可能性が指摘され、
PCIガイドライン12ヶ月以上の服用が推奨されました。
ただ、この服用期間の根拠はいまだはっきりしないので、試験を行う運びとなったようです。
■ 方法 ■
2701人をアスピリン単独とアスピリン+プラビックス投与群に分けた。
それぞれ、最低でも12ヶ月服用した。一次評価項目は心筋梗塞または心臓由来の死亡。
■ 結果 ■
平均服薬器官は19.2ヶ月です。
心筋梗塞または心臓由来の死亡の2年間での発生頻度は2剤併用群で1.8%、
アスピリン単独群で1.2%と、有意な差はありませんでした(ハザード比が1.65)。
また、心筋梗塞、脳卒中、ステント内血栓、再血管再開術、大出血、全死亡率も両群間で差はなし。
しかし、2剤併用群のほうがアスピリン単独よりも心筋梗塞、脳卒中、死亡のリスクは有意ではないですが、高くなっています(ハザード比が1.73)。
■ まとめ ■
12ヶ月以上のプラビックス+アスピリンの抗血小板薬の2剤併用は意味がなく、
アスピリンのみで十分大丈夫であることが明らかとなりました。
さらに、有意ではないけど、2剤併用のほうが心筋梗塞、脳卒中、死亡のリスクが上がっているのは気にかかります。
・・・あくまでも、約2700例の統計的観察で、これからのデータ収集が望まれます。・・・・
恵比寿